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先輩インタビュー(編集部)

先輩インタビュー(編集部)

津田 小百合

プリンセス・ボニータ編集部
2018年入社

他社で男性向けの漫画編集を4年ほど務めていたが、「そのジャンルの年間売上1位を達成する」という目標を叶えたことをきっかけに、ほかのジャンルにも挑戦したい気持ちが湧き退職。担当の作家さんと冬コミに向けた同人誌の企画を練っていたところ、秋田書店が漫画編集者を募集していることを知り、迷わず応募。当時好きだった作品は『凪のお暇』。

TSUDA SAYURI

私が「面白い!」と思った作品を
世の中にたくさん出していきたい。

女性誌の担当から、少女誌の担当へ

女性誌の担当から、少女誌の担当へ

入社後に配属されたのはエレガンスイブ編集部です。もともと女性誌をやりたかったので希望が叶いました。それから3年経った2021年に少女誌のプリンセス・ボニータ編集部へ異動に。企画を立ち上げたばかりの『Ω令嬢、情欲の檻(おり)』など、担当作品に愛着もあって引き継ぐのは寂しかったです。ほかのジャンルにも挑戦したいと思って秋田書店に入社しましたが、私が純粋に「面白い!」と思える漫画家さんたちとお仕事できていたので…。とはいえ新天地のお仕事にも魅力を感じましたので、新しい編集部でも頑張ろうと前向きに切り替えました。男性誌の編集部だとだいぶ違う雰囲気ですが、女性誌と少女誌の雰囲気は近いです。ただ、どちらかというと女性誌のほうが時短勤務で働いている方などライフステージが多様な方が多い印象ですね。現在は、「月刊プリンセス」「月刊ミステリーボニータ」といった少女誌をメインとしながらも、エレガンスイブ編集部が運営する漫画サイト「Souffle (スーフル)」でも連載を担当しています。「月刊プリンセス」「月刊ミステリーボニータ」は少女誌ですが、購読者は年齢層の高い方もいますので、親子二世代で読んでもらえるような企画を考えたいと思っています。

作家さんがより輝く作品を一緒につくりたい

作家さんがより輝く作品を一緒につくりたい

最近うれしかったのは、担当している『天幕のジャードゥーガル』が「このマンガがすごい!2023」オンナ編の第1位を獲得したことです!この作品は史実をもとにしたもので、13世紀モンゴル帝国の後宮を舞台にイスラム圏出身の少女が知恵でのし上がっていく歴史フィクション。私がまだエレガンスイブ編集部に在籍していた時に、著者であるトマトスープ先生の歴史漫画に魅力を感じ、個人サイトを閲覧させていただいていたところ、先生の描くモンゴル世界の描写に魅了されてしまいました。それで、「モンゴルの歴史漫画を描きませんか?」と声をかけさせていただきました。先生にもご快諾いただき、ご提示いただいた企画案の中から『天幕のジャードゥーガル』の形ができあがりました。恥ずかしながら、私自身はモンゴルについて興味はあったものの人並み程度の知識しかなく、この時先生から教えていただいた関連本を読み、どうにかこうにか担当…というような始まりです。しかしそんな自分のつたない歴史理解でも読み込めてしまう、本当にすばらしい1話を描いていただきました。「面白い!もっと読みたい!」という私の気持ちも強く、2021年9月から「Souffle」で連載がスタートしました。

メジャー作品にするために訴求力を高める

メジャー作品にするために訴求力を高める

担当編集としてはとても面白く最高の作品だと思っていましたが、連載が始まった当初はモチーフのマイナーさや時代設定の珍しさから1位にランクインするとは想像もできませんでした。ただ、難しさを理由にあきらめたくないと、作品の露出を増やすためにSNSを使って広報したり、装丁にこだわったり、読者に興味を持ってもらえるよう史実を紹介する記事を企画したりと、できる限り入り口を拡げるよう努めました。が、結局はトマトスープ先生のお力によるランクインだと思います。受賞の連絡をいただいてすぐに先生にご連絡したところ、先生もとても喜んでくださいました。そのとき、本当にうれしかったです。わずかかもしれませんが自分の仕事が受賞のお役に立てたなら、それは私にとって何よりの喜びです。そういえばランキングの運営さんから「ランクインのことはくれぐれも秘密にしてください」と言われたことを拡大解釈して、本当に編集部の人にさえ内緒にしていたら、後になって相談した先輩から「え?なんですぐに言わないの!?」とすごく慌てて言われて(笑)。社内では書店さんへの販促物を準備する必要もありますし、考えてみればその通り…と反省。ランキング1位の影響力をわかってなかったんですね(笑)。

賞を取ることで作品がより多くの人に届く

賞を取ることで作品がより多くの人に届く

それからというものランキング1位の発表に合わせた企画が次々と立ち上がり、慌ただしい日々が続きました。掲載サイトのSouffleでは「天幕祭り」を開催。盟友作家さんとトマトスープ先生の対談企画、お祝いイラストのギャラリー、コラボ漫画の掲載、サイト内の漫画作品の増量など、話題性を高めるために尽力しました。もともと作品を掲載する時に「WEB媒体の強みを活かしながら作品力を高めていきたい」と取り組んでおり、この時もWEBの良さを実感することができました。また、ランクイン発表後はテレビの情報番組などに作品を取り上げてもらい、SNSの反響も大きくなるなどランクインの影響力をあらためて実感しています。今後は、担当する作品のアニメ化や実写化に携わってみたいですし、累計100万部を突破するような作品にも携わってみたいです。秋田書店の女性向け作品はこれで2年連続第1位にランクイン。これにとどまらず、編集部のみんなともっともっと盛り上げていきたいです。

私の仕事道具

定規とカッター

単行本の編集業務に欠かせないのが定規とカッターです。本番の印刷前に単行本のカバーや帯の仕上がりを色校正で確認するのですが、校正紙には余白部分も印刷されています。余白を残したままデザインを確認してしまうと、「実際にイメージしていたものと違う」ということが起こる可能性があるので、店舗に並んでいる状態を再現するために校正紙の余白部分を定規とカッターで裁ち落とします。単行本の仕事が多い時期になると1日2〜3回はこの作業をしています。

定規とカッター

ある日のスケジュール

  • 11:00

    出社

    メールやニュースを
    チェックします。

  • 12:00

    ランチ

    タンパク質を食べないと頭が回りません。

  • 13:00

    編集業務

    作家さんから
    上がってきたネームを
    見たりしています。

  • 15:00

    作家さんと
    打ち合わせ

    電話での打ち合わせが
    多いです。

  • 17:00

    編集業務

    版下作業など雑誌制作における雑務をします。

  • 20:00

    退社

学生へのメッセージ

秋田書店はとてもおおらか。企画を信じてヌルっと通してもらえるところが働きやすくて好きです。また、「やってみれば」と言ってもらえるので「どんどん企画を出すぞー!」と思えます。作品について感想を言い合えるのも素敵です。もちろん忙しい時もありますが、編集者は自分の裁量で仕事ができるので、忙しくない時はカフェでモーニングを食べてから出社するとか、早めに帰宅して映画を2本観たりするなど、自分を甘やかしていい時は存分に甘やかすなどメリハリをつけて仕事をしています。出版社で働くのはとても楽しいですよ。特に秋田書店は社員もほがらかな人が多いので前向きに取り組めると思います。皆さんの入社をお待ちしています!

学生へのメッセージ