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先輩インタビュー(編集部)

先輩インタビュー(編集部)

I.R.

少年チャンピオン月刊誌編集部
2021年入社

「漫画家さんの担当編集者になる」のが小学生からの夢。自分が胸を張って好きだといえるコンテンツでもある漫画だけに集中して携われることや、『魔入りました!入間くん』『ブラック・ジャック』『吸血鬼すぐ死ぬ』といった好きな作品が多数あったことから秋田書店を志望。

EDITORIAL DEPT.

電車に乗っている人の
9割が
漫画を読む
世界を実現したい。

インタビュー01

作家ファーストではなく、
読者ファーストであること

漫画の中でも少年漫画は特に好きなジャンルでしたので、入社後に週刊少年チャンピオンの編集部に配属された時はすごく嬉しかったです。さらに初めてサブ担当として就かせていただいたのが『魔入りました!入間くん』。子どもの頃から漫画編集者という仕事に憧れていたこともあり、漫画家さんへのリスペクトが強すぎて最初は会話するだけでも上がってしまうことが多々ありました。ただ、今思うと入社一年目は漫画家さんが喜んでくださることが一番だと勘違いしていました。いわゆる「作家さんファースト」になってしまい「読者ファースト」になれていなかったのです。それを見かねた先輩方から仕事に対する考えなどを教えてもらい、私の考えや態度は作家さんのみに作品に対する責任を負わせていることに気付きました。漫画家さんと編集という関係の中で、漫画家さんの作品について意見を言わせていただく以上、読者ファーストを貫いて作品を一緒に作らせていただく責任があると早めに自覚することができたのはとても良かったです。

インタビュー02

自分が読みたいものは、
きっと読者も読みたくなる

入社2年目になって別冊少年チャンピオンに異動が決まった時は、自己肯定感が低いこともあって「自分は仕事ができなかったからだ」と落ち込みました。そんな時、『魔入りました!入間くん』を担当しているN.R.さんに「仕事ができないとかそういう理由で異動になったわけではないし、入間くんでやりたい企画があれば協力するよ」とフォローしていただいたのは今でも覚えています。それからは月刊誌に異動することで自ら企画を考えられるチャンスだと思うようになり、『魔入りました!入間くん』のスピンオフ作品の企画を考えました。どの層を読者ターゲットにするか考え、さらに自ら市場調査もして企画したのがイタリアンマフィアの世界観を取り入れた『魔入りました!入間くん if Episode of 魔フィア』です。この企画についてN.R.さんが社内稟議に上げてくださり、『魔入りました!入間くん』の西修先生にも面白いとおっしゃっていただいたことで、hiro者先生による連載がスタート。初の立ち上げ作品で重版がかかった時はとても嬉しかったですし、もともと低かった自分自身の自己肯定感を上げることにつながった作品となりました。

インタビュー03

自分の「好き」を信じる

『if Episode of 魔フィア』を通して自分自身の考え方も変化したと感じています。それまでは、「少年誌の編集部には女性編集者が少ない」ということを意識しすぎて「男性的な思考で作品を作らなければいけない」と考えていましたが、週刊少年誌に携わっている中で女性読者にも読んでもらっていることが分かり、そういった方々に届けることができるのではないかと考えるようになったのです。『if 魔フィア』という作品を作る中でも、自身の「こういうのがカッコいい!」という好みの部分を、前述のような懸念無く打ち合わせで主張させていただけたので、より嬉しいしやりがいを感じました。面白い作品であっても埋もれてしまうような多作品時代の中で、自分にとっても「漫画家さんの作品を広めることにつながる仕事をしたんだ!」という誇らしい気持ちにもなれましたし、次にどう動くか、先生と一緒に考えることも増えてそれもまた印象深いです。

インタビュー04

漫画を買って
読む人を増やすことが目標

2024年の新人まんが賞では、自分が担当した漫画家さんが1位と2位になりました。その時は嬉しいというよりも、授賞式に参加しながら「これからどのように先生方の才能を世の中に見せつけてやろうか」と悶々と考えていたのが印象的です。担当する漫画家さんが賞をもらったり、作品が売れることもある種の到達点ではありますが、そこで終わりではなくここからがスタートです。今後も、新たな企画をたくさん立ち上げて、もっともっと漫画を買って読む人を増やしていきたいです。就職活動で「夢や目標はありますか?」と面接官の方から質問されて、私は「電車に乗っている人の9割が漫画を読んでいるような世界にすることです」と語っていましたが、その想いは今でも変わっていません。その世界を実現するために、これからも漫画家さんと一緒に世の中に胸を張れる作品を生み出していきたいです。

私の仕事道具

ワイヤレスイヤホン

カバーは友人がプレゼントしてくれたもので、いつも背中を押してもらっている気分になります。音楽を聴くことが好きなので、気持ちの整理をしたい時やなかなか言語化がうまくいかない時などは音楽を聴いてメンタルを整えています。作家さんの中には作品のイメージソングなんかもあったりして、それを聴きながら打ち合わせの共通言語にしたり、作品のアオリを考えたりしています。

私の仕事道具

ある日のスケジュール

  • 10:00

    出社

    朝が弱いので、頭を目覚めさせるためにアイスコーヒーを毎日テイクアウトして出社します。

  • 10:30

    オンライン打ち合わせ

    遠方の作家さんとオンラインで打ち合わせ。
    国外にお住まいの作家さんもいるので、時差を計算して打ち合わせ時間を設定することもあります。

  • 12:00

    ランチ

    日々開拓中です。
    いつもは店舗で食べますが、漫画を読みたい時はテイクアウトして読みながら食べることもあります。

  • 13:00

    編集業務

    漫画の入稿作業など。
    セリフのフォントなどもこちらが指定します。印象が変わってしまう場合もあるので責任重大。

  • 15:00

    雑誌の企画調査

    他誌の付録や新連載を見ながらアイデア出し。
    「こういう付録はどうかな?」と先輩に相談しながら実際のところは楽しんじゃっています。

  • 17:00

    対面打ち合わせ

    足を運べる作家さんのもとへは直接伺います。
    この日は取材も兼ねてジャズバーへ。

  • 20:00

    直帰

    解散後、そのまま家に帰宅する日も。
    時間によっては映画を観たり、本屋に寄ったりもします。

学生へのメッセージ

編集という仕事は作品を陰で支える黒子のような存在です。あまり派手ではない仕事ですが、コツコツと作品や作家さんのために働ける方はとても向いています。秋田書店という会社は新しいことへのチャレンジ精神を持つ方を求めています。もしエントリーしてくれる時は、「作品のためにあなたができること・したいこと」を教えてください。それをしっかり持っている方は強いと思います。

学生へのメッセージ