国内と海外の
架け橋となって、
作品のファンを
世界に増やす。

海外生活で支えとなった日本の漫画
大学時代にオーストラリアで1年間ワーキングホリデーをしていましたが、海外生活が辛い時期に自分を支えてくれたのが書店や図書館で見つけた日本の翻訳漫画でした。それがきっかけで漫画に関わる仕事がしたいと海外翻訳出版の代理店業務に従事。秋田書店を含む多くの出版社の代わりに翻訳版における海外出版社との交渉や契約をまとめる仕事をしていました。日本の作品を海外に展開できるのは楽しかったのですが、代理店時代はいろんな作品を取り扱っていたこともあり、契約数の多さから契約の管理ばかりになってしまっている感じがしていました。そこで、一つの作品を海外の人たちに広く推し進めるなら出版社側に立つほうがいいと考え、子どもの頃から好きな作品である水島新司先生の『大甲子園』を出版している秋田書店に縁があって転職しました。

作家さんを始め、
関わる人たちが幸せになるために
海外事業部は、秋田書店における海外翻訳出版の契約窓口となっています。私が担当する地域はフランス、ドイツ、イタリア、東南アジア、中国で、各国の海外出版社から翻訳版のオファーがあれば条件面などについて交渉し、作家さんの承諾をいただくとライセンス契約を締結します。すでに国内で人気の作品は比較的条件の良い契約でまとまることが多いですが、少しでも作家さんに還元できるよう金額面の交渉はもちろん、作品を海外で広げていくためにどのような販促プロモーションを実施するかなど、ビジネスと熱意のバランスを取りながら総合的に勘案して交渉します。また、国や地域によって文化や慣習が異なるので契約のすり合わせや交渉は特に気を付けながら進めています。

作品の魅力を伝え、海外に広めていく
人気作品だけではなく、まだこれからという作品を海外に売り込むのも私たちの重要な仕事です。海外出張では基本的に商談がメインになりますが、現地の方に「どんな漫画が売れているか」など市場動向をヒアリングしたり、書店に直接足を運ぶようにしています。最近はどの国でも日本の漫画を取り扱っていて親子世代を越えて親しまれています。また、日本では電子書籍の割合が高いですが、フランスなどでは紙の単行本の比率が高く、コレクション的な意味合いで買っている方が多いのも特徴です。このような情報をもとにその国と相性の良い作品を紹介し、契約後は海外出版社と一心同体となり、作品を海外で広げていくことができるのも面白さの一つです。

世界中で愛される日本の漫画
海外出版社から招待され、2025年にタイで『桃源暗鬼』の作家である漆原先生のサイン会に同行させていただきました。あまりの盛況さに当日は人数を絞って開催しましたが、翻訳版の単行本やグッズを持参される方や、先生に直接手紙を届けられる方もいるなど「熱いファンはどの世界にもいるんだ」と実際に目にしました。喜んでいる海外ファンの姿を見ることができたのはうれしく、業務のモチベーションの一つとなっている印象的な出来事です。日本の漫画は少年向けから女性向けまであり、世界中の誰もが何かしらの作品を好きになれるチャンスがあります。また、新作だけではなく、最近では『王家の紋章』や『グラップラー刃牙』といった名作も海外で注目されています。今後は、アラブ圏などまだ秋田書店の作品があまり届いていない国や地域の読者にも届けられるようビジネスを拡大していきたいです。
私の仕事道具
パスポート
年に3〜4回は海外出張しています。滞在期間中は一週間ほどですが、海外出版社の方々と直接話し合い、秋田書店ではどんな作品を推しているか、その国ではどんな作品が合うかなどお互いを理解し合うのはとても大切です。そのため持っていくトランクの中は秋田書店の漫画でぎっしりです。フランスの出版社を訪れた時は現地のスタッフの方々に手厚く迎えてもらい、秋田書店のヤンキー漫画の等身大パネルがあった時は感動しました。


