エレベーターのボタンが押せない

どうしても行きたい階のボタンを最初に押せないことが多いんです。
毎回って訳ではないんですが、。なんならたまになんですけど。

例えば、自分が8階に行きたいと思ってエレベーターに乗り込む。そして、ボタンを押すと3階、7階、8階を点灯させる。
だいたい3回目くらいでやっと行きたかった階のボタンを押すことに成功します。

これが一人の時はいいんですが、誰かが同乗している時は大迷惑。知っている人なら事情を話せばすみます。
だけど、知らない人が後から乗って来た時、謎の階に停止することに首を傾げる他人に向かって、
「それ、僕がエレベーターの正しいボタン押せなくて…」なんて言えるハズもなく…。

──2023年初夏、秋田書店 旧社屋にて。面接会場は7階、待合室は1階、エレベーターは2基。
面接が始まる前から自分だけ別の緊張感を抱えていました。7階にスムーズにいけるのだろうか、と。

案の定、7階を一発目で押せなかった記憶があります。間違って押してしまった階では社員の方々は通常営業中。
しかし寄り道しながらも面接会場にたどり着いてからは、なぜか特別な緊張感も溶けて自然に会話ができました。

エントリーシートの「学生時代にがんばったこと」の欄には、4年間テニスコーチをやっていたことを書いたのですが、
面接官に聞かれたのはテニスをずっとやっているのになんで柔道の黒帯も持っているのか、でした。

高校生の頃になぜか柔道部の顧問に気に入られ、テニスクラブに通うまでの少し空いた時間に型と受け身を練習していたからです、
と答えたら、たいそうウケたと記憶しています。

案外、思いもよらず経験したことや感じたことがその人の自然体な魅力に繋がっているのかもしれません。面接前は用意したネタを
ブラッシュアップするのもいいですが、古いアルバムや本棚、卒業アルバムとかを見返して見るのもいいかもしれませんね。

冒頭に話は戻りますが、どれだけ検索しても同じ悩みを抱える人はいないようなので、
一縷の望みに懸けて同じ悩みを持っている人がいないかこのテーマにしてみました。
「この文章は結局何だったんだろう。就職活動で忙しいのに気が抜けてしまったじゃないか。」
どうかその素直な気持ちで面接に挑戦してみてください。

K.T. 2024年4月 入社
2024年6月 少年チャンピオン月刊誌編集部 配属
東京都出身。学生時代は能・狂言や落語、歌舞伎など日本伝統芸能を専攻。
小学生の時に初めて読んだ『ハカイジュウ』第1話が未だに頭から離れない。