一期一会ならやってみるか
まず本年の秋田書店新卒採用に応募してくださった皆さま、ありがとうございました。
書類選考の結果にかかわらず、今後何らかの形でお仕事をご一緒できる日が来るのを、心待ちにしています。
さて、もうすぐ1次面接の予約が始まるとのことなので、自分の受けた面接を参考程度に振り返ってみようと思う。
面接の時間帯は「朝か午後一番が良い」らしいとよく耳にしていたが、私は決まって「最終日の最後」の枠を予約していた。
「最後にバシッと決めれば、面接官の印象に残りやすいだろう」という、自分なりの戦略に基づくものだった。
当時の私にはたいした武器も内定もなかったが、「何かを成し遂げる」という野望とそれに対する根拠のない自信だけは、心のどこかでずっと持ち続けていたようだった。
秋田書店の1次面接は、「少し気がかりなところもあるけれど、全体的にはまぁまぁ上手くできたかな」くらいの手応えだった。
他の就活生が実際に何人いて、その中で上から何番目くらいに上手くできたかを具体的に想像できるほど自信があったわけではなかったから、2次面接の案内が来るまでの間はやっぱりドキドキした。
そもそも、私のそれまでの戦績としては、圧倒的に書類選考での足踏みが多かったので、「この面接は通ったに違いない」といった予測はまったくできなかった。
(ちなみに就活初期の私が書類選考でつまずいていたのは、時系列や事実関係に囚われすぎてしまい、面白さや伝わりやすさに欠けていたことが原因だったと今でも思う。)
忘れがたいのは2次面接。
前日に受けた他社の選考が、人生単位で見ても一番失敗した面接だったということもあって、「ここで勝ちにいかないといけない」と妙に焦ってしまい、やけに緊張してしまった。
自分の体と顔が強張りまくっているのがよくわかった。
「最後に何か言い残したことはありますか」
何とかすべての質問に答えたものの、あと一歩何かが足りない気がする。
そう考えた私は、漫画の編集者を志す理由について、淡々と、だけど大真面目に、語り出した。
体感では1分ほどの自分語りだったが、見ず知らずの他人に自分の夢を想いのままに伝えるというのは、かなり勇気の要ることだった。
だいぶ照れくさかったので、その時は顔が少し赤くなっていただろうし、時々言葉に詰まっていたと思う。
でも「通過しなかったらもう会うことのない人たちだし、いいや!」と無理やり開き直って最後まで話しきった。
この先もう会うことはないとしても、一番大事な軸の部分だけはしっかり伝えておきたかった。
今回限りのこの巡り合わせの場で、「あれを言いそびれたけど、もし伝えていたら通過していたのかな」という答えの出ない後悔をしたくなかった。
結局、最後の自分語りが2次面接通過のカギになったのかどうかはわからないけれど、少なくとも私にとっては、あの局面で自分の軸を語れたことがその後の就活における根拠のある自信に繋がったと感じている。
最後になりますが、皆さん。
私たちに一番伝えたいことは何ですか?
小坂 翼
2023年4月 入社
同年6月 プリンセス・ボニータ編集部 配属
大学入学当初は映画業界を目指していたが、大学3年の春頃、第1志望を出版社に変更。
誰かの「やりたいこと」や「なりたい自分」を見つける些細なきっかけとなるような物語作りに貢献したいという想いから、漫画の編集者を志す。